
職場の後輩が精神疾患で休職したんだ

無事復帰できるのかしら?
精神疾患にもいろいろな病気がありますが、私は双極性障害(旧病名:躁うつ病)という精神疾患の患者です。

ユカ氏が双極性障害だなんて知りませんでした

良くなったら日常生活や仕事も問題なくできるからね
症状が重いときは閉鎖病棟に入院したこともありましたが、寛解後は通常の社会生活を送ることができています。
双極性障害のため新卒で入社した会社を退職、再就職後に再発して休職した経験から学んだことを紹介します。
双極性障害の私が仕事を退職、休職した経験から学んだことを紹介します。
双極性障害を抱えながら仕事を続けていきたい方
双極性障害とは?
双極性障害とは極端に明るく活動的になる躁状態と憂鬱で何もする気が起きない鬱状態という両極端な状態を繰り返す精神疾患です。
誰にでも気分の浮き沈みはありますが私のような双極性障害の患者は症状が悪化すると気分の浮き沈みというレベルではありません。
躁状態のときは思い付きで旅行に出掛けたり、衝動買いをしたりと普段よりかなりアクティブになるのですが全く疲れません。
睡眠時間も3時間で足りてしまいます。
反対に鬱状態のときは何もする気が起きず食事もお風呂も面倒で一日中家の中でぼんやり過ごしています。
一日中家の中でぼんやり過ごしているのに疲れがまったく取れません。

気分の波が高波、いや津波のように変動するんですね

でも治療して症状が落ち着いたら元の日常生活を送れるよ

ユカ氏も働いてますし、症状が落ち着けば就労も可能なようですね
双極性障害については以下のリンク先(厚生労働省『みんなのメンタルヘルス総合サイト』)に詳しく紹介されていますので是非ご覧ください。
私と双極性障害の付き合い

ユカ氏はいつ躁鬱病だって分かったんですか?

ふふふ、私のケースを紹介するね
新卒入社2年目に発症
新卒で入社した会社は東京のとあるIT企業でした。
入社後~入社2年目の夏まで社内勤務でしたが、入社2年目の秋に初めて親会社へ派遣されることになりました。
異動先は残業が多く帰宅も11時過ぎという日々でしたが、個人的には「栄転だ!」と意気込んでいたので苦にはなりませんでした。
…が、徐々に体調を崩し始めました。
最初は胃や頭が痛いとか肩がこるとか軽い症状だったのですが市販薬を飲んでも治らないし、それどころか眠れない、突然涙が溢れてくるという症状が現れ始めました。
「内科に行こうかな?」と思っていたときに、たまたま話を聞いてくれた人から「心療内科に行っては?」と勧められ、抵抗はありましたが近くの心療内科を受診することにしました。

抵抗?

正直言うと心療内科や精神科に行くこと自体に偏見があった。
休職、寛解せず新卒入社3年目で退職
最初に受診したクリニックで「抑鬱状態」、「鬱病」と診断され、治療のために1カ月ほど休職することになりました。
1カ月では良くなるはずもなく休職期間が延期になりました。
今思えばそんなに早く良くならないと分かるのですが当時は「早く復帰しないと居場所がなくなる」と焦りに焦ってどんどん悪化する始末。
ある時、鬱状態から正常な状態を飛びぬけて躁状態に切り替わる躁転をしてしまい、病名が「鬱病」から「双極性障害」に変わりました。
そもそも躁状態は体調が悪いと思わないので鬱状態のときに病院を受診し、当初は鬱病と診断される人が多いようです。
私のように鬱病の治療薬を投与されているうちに躁転して双極性障害と発覚するケースも珍しくないのだとか。

鬱病とは違う病気なんですね

治療薬も違うし、全く別物だよ
異なる治療を受けていた影響か仕事に早く復帰しなければいけないという焦燥感が原因かは分かりませんが、自殺未遂をしたので地元に戻り閉鎖病棟に入院することになりました。

閉鎖病棟…

私がいた閉鎖病棟は出入口は常に施錠、窓には鉄格子が嵌められてた。外部との接触は面会くらいだったな
2カ月弱で閉鎖病棟からは退院はできたものの、その後も精神が不安定な状態が続き職場復帰と休職を繰り返したあげく最後は退職しました。
治療を受けながら地元で再就職
無職になったので実家に居候し、治療を受けながら地元で再就職先を探すことに。
無職に対する危機意識はあったものの職場復帰を焦っていた気持ちがなくなり、症状は少しずつ良くなりました。
症状が酷いときは本を読んでも頭に入ってきませんでしたが徐々に文字も読めるようになったので試しに公務員採用試験を受験、奇跡的に採用され翌年の春からは公務員として働くことになりました。

一生分の運を使ったのですね

親も主治医も落ちると思ってたようだから否定はしない
結婚を機に治療を勝手に止める
再就職後、投薬治療は続けていたものの再発もなく仕事も順調でした。
ですが、結婚を機に妊娠に備えて主治医に相談することなく投薬を勝手にやめました。

なぜ主治医と相談しなかったのですか?

投薬を中断するとほぼ再発するって言われてたし相談しても許可もらえないと思って…。
主治医に相談しても許可はもらえないだろうし、それに「ほぼ」ということは「もしかしたら再発しないんじゃないか?」という期待もありました。
ところがどっこい、これが最大の誤りでした。
母の死が引き金となり再発、休職に
勝手に薬を飲むことをやめても暫くは再発することもなく仕事も順調でした。
ときどき軽い症状が出ることがあったけれど周囲にも双極性障害だとバレることなく仕事をこなしていました。
少し感情の起伏が激しい人、そんな人だと思われていたかもしれません。
ただ病的だとは思われていなかったように思います。
このまま順調に仕事を続けていけると思っていた矢先、母が亡くなったことが引き金になって不眠→躁→鬱と再発、仕事を休むことになりました。
一度半年ほど復帰したこともありましたが症状が悪化し今も休んでいます。
投薬治療を続けていたら違った結果になったのかもしれません。
休職したときに気を付けたいこと
…というわけで、双極性障害のため前職は退職、転職後は1度目の復帰に失敗し今は2度目の休職をしています。

1年近く掛かったけどようやく復帰が見えてきたよ

休職中はどんなことを気を付けたんですか?
まずは休養を
おそらく最初に主治医から言われるかと思いますが無理をせず休むことに集中しました。
私の経験から言うと体というよりも頭を休ませることが大事と思ってます。

頭を休ませる?

難しいけど考えることをやめるってこと
急いてはことを仕損じる
引きこもって一日中ぼんやりしているのですが、頭の中は「自分の担当していた仕事はどうなるんだろう?」→「他の人に迷惑をかけている!」→「早く復帰しないと!」ということばかり考えていました。
仕事に行かないといけないのに体が重くて動けない。
何も行動に移せず気持ちだけが焦る状態になっていきました。

金縛りに近いものを感じる

この焦燥感に駆られて徐々に疲弊していくんだよね
休職した当初は主治医からも「何も考えない」、「リラックス」と受診するたびに何度も言われました。
そうは言われても意外と難しい。
「考えるな」といわれても自然と頭に浮かんでくるし、そのせいで焦燥感に駆られてしまう。
でも急いでもいいことは一つもありません。
「復帰できなくはないけど大丈夫かな?」という状況で復帰して再発、再度休職した私が学んだことです。
「急いてはことを仕損じる」と思い出し、まずはじっくり治療に専念しましょう。

私は焦るたびにこの諺を思い出してる
投薬治療は勝手に止めない
症状が落ち着き寛解期を迎えたら薬を飲むのが嫌になるかもしれません。
勝手に薬を飲むのをやめて再発した私の経験からいうと、安寧とした生活を続けたいのなら主治医に相談せず勝手に薬をやめてはいけないです。
再発したら寛解を迎えるまでまた時間がかかります。
毎日飲むのはツライかもしれませんが自己判断だけはダメですよ!
まとめ
双極性障害は躁状態と鬱状態を繰り返す厄介な病気ですが症状が落ち着けば元どおりの生活が送れるようになります。
症状が悪化したときには治療のため休職することになるかもしれません。
そんな時は焦らずしっかりと休養を取ることが大切です。
焦る気持ちもわかりますが「急いてはことを仕損じる」を肝に銘じましょう。
寛解しても自己判断で薬を飲むのをやめてはいけません。
主治医に必ず相談しましょう。